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CRPの値と疾患との関連&白血球と乖離する理由!

CRP

白血球が上昇しているのにCRPは上昇してないのおかしくない?

こんな疑問を解決します。

こんにちは臨床検査技師のユキフルです。

今回はCRPについて紹介します。

本記事でわかること
  • CRPとはどんな検査項目なのか
  • CRPの基準値
  • CRPと白血球が乖離する理由
  • 高値で考えられること
目次

CRPとは

CRP(C-反応性タンパク)は、体の中で炎症や感染、組織の破壊などが起きると肝臓で生成され、血中濃度が急速に上昇する急性期タンパク質の一つです。

CRPは主に肝臓で生成されますが、その産生は炎症性サイトカイン(IL-6など)の刺激によって促進されます。

CRPは元々、肺炎双球菌などの細菌感染症において、C型多糖類に対する免疫応答の一環として発見されました。
その後、急性および慢性炎症の非特異的なマーカーとして広く利用されるようになりました。

CRPの血中濃度は炎症の程度に比例して上昇し、炎症反応が進行するにつれて増加します。

また、CRPの半減期は比較的短く、急性期の炎症活動の推移を反映することから、疾患の活動度評価や治療効果のモニタリングに有用です。

  • 炎症後6~12時間以内に上昇→2~3日でピーク→その後減少。
  • CRPの半減期は4~6時間。病気が快復すると5日で正常に戻る。
  • 炎症をみる検査として、他に白血球数(白血球分画)、赤血球沈降速度、フィブリノゲンがある。
  • 特異性はない。どの臓器や部位で炎症があるかはわからない。

CRPの基準値

項目基準値
CRP0.30mg/dl以下

CRPと白血球が乖離する理由

CRPと白血球

CRPと白血球は、共に炎症の有無を調べる検査に使われます。

しかし、炎症の発症から数値が上昇するまでの時間と、ピークを打ち数値が減少する時間が異なるため乖離が見られることがあります。

白血球は炎症を認識すると素早く行動しますが、CRPは炎症などの刺激によって活性化された単球やマクロファージが産生したサイトカイン(IL-6、TNFαなど)が肝細胞をさらに刺激することによりようやく肝臓で産生されるからです。

ですので、炎症初期では白血球が上昇しているのにCRPは正常値ということがあります。

また、加齢によって白血球の数が減り、その活動も衰えることから、高齢者は感染症にかかっても白血球が正常である場合もあるのでCRPと乖離する可能性があります。

炎症発生から白血球の上昇は数時間以内に起こり、CRPの上昇は6~12時間後に起こる。

炎症後CRP
6~12時間後上昇
2~3日ピークを打ち、その後減少
約5日ほぼ正常範囲に快復

高値で考えられること

CRP高頻度可能性
0.3~1mg/dl軽症炎症性疾患
炎症性疾患の初期および回復期
新生児感染症
歯周炎
ウイルス感染
真菌感染
脳梗塞
膠原病
造血系腫瘍
1~10mg/dl細菌感染症
外傷
悪性腫瘍
心筋梗塞
膠原病
活動期の免疫不全症
新生児感染症
ウイルス感染
真菌感染
脳梗塞
造血系腫瘍
10mg/dl以上重症感染症(敗血症、肺炎)
膠原病
急性膵炎
新生児感染症
ウイルス感染
真菌感染
造血系腫瘍
参考:臨床検査データ2021-2022
ぴょん太

妊娠や喫煙でも軽度上昇するから覚えておこう。
あとウイルス感染(普通のかぜ、突発性発疹、夏かぜ、はしか、みずぼうそう、おたふくかぜ、風疹、インフルエンザなど)は2mg/dl程度の上昇に収まるよ!

妊娠、喫煙➡CRP:0~2mg/dl

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